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Nの駅マークと5本の路線 会社設立の流れ路線図Kaisha Setsuritsu no Nagare Rosenzu
定款

公証役場の駅を「誰が・何を持って」通るか|会社設立の流れで定款認証の段取りを組む

  • 更新
  • 制度・日数の確認日 2026年10月11日
  • 読む時間 約10分
  • 文:『会社設立の流れ路線図』編集部
公証役場の駅を「誰が・何を持って」通るか|会社設立の流れで定款認証の段取りを組む

乗車案内この記事が扱う区間

区間N04 定款 〜 N06 払込み
作業の目安本人確認の書類の取り寄せ、委任状の作成、電子署名の準備。発起人の人数と紙か電子かで量が変わる
待ちの目安事前チェックの返事と、面前審査(対面またはウェブ会議)の日時の調整。公証役場ごとに異なり、一律の日数は示せない
並行できる手順印鑑登録証明書の取り寄せと定款の案の仕上げ、認証待ちのあいだの払込みの準備

株式会社の流れだけに停車する区間です。電子定款のウェブ会議や48時間特別処理には条件があるため、使う前に日本公証人連合会と管轄の公証役場で確かめてください(2026年10月11日確認)。

この記事は、こんな人に向けて書いています

公証役場の場所や予約の取り方はひととおり分かったけれど、「発起人全員が行くのか」「代理を頼めるのか」「印鑑証明書はいつ取ればいいのか」「認証を受けた定款は次にどう使うのか」といった、人と書類の段取りで手が止まっている人に向けています。

公証役場の駅を通るとき、つまずきの多くは定款の中身ではなく、人と書類の準備で起こります。発起人の一人が平日に動けない、印鑑登録証明書が古かった、委任状の押印が実印ではなかった、といった理由で、認証の日がずれることがあります。

この記事は、会社設立の流れのうちN04の定款からN05の公証役場を経てN06の払込みへ抜けるまでを、「誰が通るか」「何を持っていくか」「認証のあと何を次の駅へ渡すか」の3つの視点で並べ直した案内です。予約の取り方や手数料の区分は同じカテゴリーの1本目の記事に譲り、ここでは段取りの手順に絞ります。

N01 NEXT STATION人・書類・データの3本の線で見る公証役場の区間

公証役場の区間は、人と書類とデータの3本線

路線図の上では、N05の公証役場の駅は一つの点に見えます。けれども駅の中では、3本の線が同時に動いています。この駅の流れを分解すると、1本目は発起人や代理人という「人」の線、2本目は定款の原本や印鑑登録証明書といった「書類」の線、3本目は電子定款や事前チェックのメールのような「データ」の線です。

この記事の区間(N04〜N06)
この記事の区間(N04〜N06)

3本の線は、認証の日に一点で合流しなければなりません。人の都合がついても書類が足りなければ認証は受けられず、書類がそろっていてもデータの事前チェックが終わっていなければ日程が組めません。会社設立の流れで公証役場の駅が遅れやすいのは、この合流の条件が多いからです。

株式会社の定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じない(会社法30条1項)ため、この合流を避けて通ることはできません。だからこそ、3本の線それぞれの準備をいつ始め、いつ終えるかを、会社設立の手順の中で先に決めておく価値があります。

反対に、合同会社の流れではこの区間がまるごと通過になり、3本の線を合流させる作業そのものがありません。株式会社と合同会社で準備の重さが違って感じられるのは、この駅の段取りの有無が大きく影響しています。

N02 NEXT STATION誰が認証を受けるか:発起人本人か、代理人か

発起人が行くか、代理人に頼むか

定款の認証を求める(嘱託する)のは、定款をつくった発起人です。ただ、日本公証人連合会の定款認証のQ&Aでは、定款認証の手続は代理人によってすることもでき、発起人の一人が他の発起人の代理人になることも、発起人全員が第三者に代理を頼むこともできるとされています。

誰が通るかを決める手順
誰が通るかを決める手順

代理人に頼む場合は、委任状を作成して登録印鑑(実印)を押し、委任状と印鑑登録証明書を公証人に提出する必要があると、同じQ&Aに書かれています。つまり代理を選ぶと、手続の流れの中で人の線の負担は軽くなるかわりに、書類の線が1本増えるということです。

発起人が複数いる会社設立では、全員が同じ日に公証役場へ行くのが難しいことがよくあります。そのときは、動ける発起人を代理人にして、ほかの発起人から委任状を集める段取りが考えられます。委任状の書式は認証を予定している公証役場に問い合わせるよう案内されているので、事前チェックのやりとりの中で一緒に確かめておくと手順が一つ減ります。

メモ 定款の作成や認証の手続を専門家に頼む場合の職域(誰に何を頼めるか)は、会社設立の依頼先を扱う姉妹サイトの担当テーマです。このサイトでは、誰が駅を通るかという段取りだけを扱います。

N03 NEXT STATION印鑑登録証明書は、認証の日から逆算して取る

印鑑登録証明書は、認証日から逆算して取る

書類の線でいちばん日付に気をつけたいのが、発起人の印鑑登録証明書です。日本公証人連合会の案内では、発起人の本人確認には実務上は印鑑登録証明書の提出によっており、印鑑登録証明書は発行後3か月以内のものに限られるとされています。

印鑑登録証明書を取る時期の考え方(目盛りは順番の目安)
印鑑登録証明書を取る時期の考え方(目盛りは順番の目安)

思い立った段階で先に取っておくと安心に思えますが、会社設立の流れが途中で止まると、認証の日に期限が切れていることがあります。目安としては、N04で定款の案がおおむね固まり、公証役場へ事前チェックを頼む頃に取り寄せると、期限の心配が少なくなります。取り寄せの行を流れの中のどこに置くかを、日程表で先に決めておきましょう。

そもそも市区町村で印鑑登録をしていない発起人は、登録から始める必要があります。登録の手順は自治体ごとに違うため、発起人が複数いる場合は、N02の決める駅の段階で全員の登録状況を確かめておくと、公証役場の駅の手前で止まらずに済みます。

印鑑登録証明書は、法務局の駅(登記の申請)でも使う場面があります。何通、どの人の分が要るかは会社の機関の形で変わるため、取り寄せる前に必要書類の一覧で確かめてください。書類の一覧は会社設立の必要書類を扱う姉妹サイトの担当テーマです。

N04 NEXT STATION電子定款ならウェブ会議:2024年3月からの原則

電子定款は、面前審査をウェブ会議で受けられる

人の線をもっとも軽くできるのが、電子定款を選んだ場合のウェブ会議です。法務省民事局と日本公証人連合会のリーフレット(2025年3月3日版)では、電子定款の認証の面前審査は、2024年3月1日から全国すべての公証役場で、対面実施の希望がない限りウェブ会議で行うことを原則とする運用になったとされています。

電子定款の認証の流れ(リーフレットの図による)
電子定款の認証の流れ(リーフレットの図による)

同じリーフレットの図では、手続は定款作成、事前チェック、オンラインでの申請、面前審査、認証の順に並び、認証済みの定款データはオンラインで受け取れるとされています。公証役場まで出向かずに済むため、平日に移動の時間をとりにくい発起人がいる会社設立では、人の線の調整がずっと楽になります。駅の中の流れは紙の場合と同じでも、移動という作業が一つ消えるわけです。

ただし、ウェブ会議の原則は電子定款の認証についての運用です。紙の定款で進める場合は、従来どおり公証役場で認証を受ける段取りになります。紙か電子かの選択は、N04に入る前に決めておくと、人の線と書類の線の準備を途中で組み替えずに済みます。

電子定款に必要な電子署名の用意や、オンラインでの申請の操作は、電子定款 オンライン申請のカテゴリーで、どの駅の手順が変わるかという視点から扱っています。

N05 NEXT STATION48時間特別処理と72時間の取組:使える条件を先に確かめる

48時間処理は、条件がそろったときだけ

公証役場の駅の待ちを短くする仕組みとして、定款作成支援ツールを使った「48時間特別処理」があります。同じリーフレットでは、定款作成支援ツールで作成した定款について、原則として48時間以内に認証手続を完了する運用が、2024年1月10日に東京都内・福岡県内で始まり、2025年3月3日から全都道府県で利用可能になったとされています。

48時間特別処理を表に書く前の確認
48時間特別処理を表に書く前の確認

リーフレットには、作成できる定款の内容には「発起人3名以下・取締役会非設置など」の制限があること、48時間の起算点は必要な資料がすべて公証役場にメールで到達したときであること、紙の委任状等を郵送や持参で出す場合は算定方法が異なることも書かれています。会社設立の日程表に「認証48時間」と書くなら、これらの条件にすべて当てはまるかを先に確かめる手順が欠かせません。

さらに、48時間特別処理を使った場合に、公証人の定款認証と法務局の設立登記を併せて原則として72時間以内に完了する取組も、2024年9月20日から始まっています。ただし、定款認証後から設立登記を申請するまでの時間は72時間に含まれず、添付書面情報をすべて電磁的記録で作成し、定款認証後1週間以内にオンラインで申請して登録免許税を電子納付する必要があるとされています。

どちらの仕組みも「原則として」の運用で、日数を約束するものではありません。会社設立の流れを急ぎたいときの選択肢として知っておき、使うかどうかは条件に当てはまるかで判断してください。急ぐ場合の組み方は最短 スケジュールのカテゴリーで扱っています。

N06 NEXT STATION認証を受けた定款の行き先:保存・還付・謄本

認証を受けた定款は、3つの行き先に分かれる

公証役場の駅を出るとき、手元に何が残り、それを次のどの駅で使うのかを整理しておきましょう。紙の定款の場合、日本公証人連合会のQ&Aでは、定款(原本)2通を公証人に提出し、認証したうち1通は役場保存用原本として保存され、もう1通は会社保存用原本として嘱託人に還付されるとされています。

紙の定款:認証のあとの行き先
紙の定款:認証のあとの行き先

同じQ&Aでは、設立登記の申請の際には認証を得た謄本1通が必要になるため、実務では通常、定款3通を提出することになると説明されています。登記用の謄本の手数料は謄本1枚につき250円とされているので、公証役場の駅で払うものの中に、この分も含めておきます。

電子定款の場合は、認証済みの定款データを受け取る形になります。法務省のリーフレットでは、オンライン申請システムまたはメールのいずれかで受領できるとされています。受け取ったデータをどの形で法務局の駅へ渡すかは、申請を書面で行うかオンラインで行うかで変わります。

商業登記法47条2項1号は、設立の登記の申請書に定款を添付するよう定めています。つまり公証役場の駅で受け取ったものは、払込みの駅をはさんで、N07の登記書類の駅でそのまま使われます。認証を受けた定款をどこにしまったか分からなくならないよう、受け取った日に保管場所を決めておくのも、会社設立の手順の一部です。公証役場から法務局へ、書類が流れていく道筋をここで一度確かめておきます。

N07 NEXT STATION発起人が複数いるとき、区間はどこで伸びるか

発起人が増えると、合流までの線が増える

株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、または記名押印しなければなりません(会社法26条1項。法務省の発起設立の説明による)。発起人が一人なら自分の都合だけで進みますが、複数になると、人の線と書類の線が人数分に増えます。

発起人が複数いるときの段取り(目盛りは順番の目安)
発起人が複数いるときの段取り(目盛りは順番の目安)

区間が伸びやすいのは、定款の案に全員が合意するまでと、全員分の書類がそろうまでの2か所です。とくに委任状を紙で集める場合は、郵送の往復が入るぶん、書類の線がいちばん長くなりがちです。会社設立の流れを日程に落とすときは、いちばん遅い発起人に合わせて合流の日を置くのが現実的です。

並行できる全員分の印鑑登録証明書の取り寄せと、定款の案の最終確認。事前チェックの返事を待つあいだの、払込みに使う口座の確認。

順番を入れ替えると困る定款の案の合意より前に委任状を集めること。内容が変われば委任の範囲も見直しになることがあります。

順番を入れ替えると困る印鑑登録証明書を早く取りすぎること。合流の日までに発行後3か月を過ぎると使えません。

共同で設立する場合に流れのどこで調整が増えるかは、共同設立 株主 複数のカテゴリーでも駅ごとに追っています。

N08 NEXT STATIONまとめ:3本の線を、認証の日に合流させる

人・書類・データを、認証の日に合流させる

公証役場の駅の段取りは、人・書類・データの3本の線を、認証の日に一点で合流させる作業です。会社設立の流れの中で、どれか1本でも遅れると駅を出られません。逆に言えば、3本の線を別々に前倒しできるのが、この区間の工夫のしどころです。

  1. 誰が認証を受けるかを決め、代理なら委任状と印鑑登録証明書を用意する
  2. 印鑑登録証明書は、認証の日から逆算して発行後3か月以内に収まる時期に取る
  3. 電子定款ならウェブ会議の原則や48時間特別処理の条件に当てはまるか確かめる
  4. 認証を受けた定款(謄本やデータ)の保管場所を決め、登記書類の駅へ渡す

公証役場の駅を出たら、次はN06の払込みの駅です。払込みのタイミングの考え方は資本金 払込 タイミングのカテゴリーで扱っています。会社設立の手順の全体を見直したいときは、全体像 図解のカテゴリーの路線図に戻ってください。

電子公証の仕組みやテレビ電話を使った認証の詳細は、日本公証人連合会の電子公証の案内に掲載されています。制度の運用は変わることがあるため、使う前に原文と管轄の公証役場で確かめるのが確実です。

終点のその先へ

認証の日を決める前に、紙に3本の線を書いてみてください。誰が行くか、何をいつ取り寄せるか、データをいつ送るか。いちばん遅い線が見えれば、公証役場の駅を出る日もおのずと決まり、払込みと登記の準備をそこへ合わせられます。

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タグ#公証役場#電子定款

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